DVD第5巻「仁科りえジャケット出演記念祭」

杉坂
「皆さん、おはこんばんちは。予想外の展開に、さすがの私もいささか混乱気味です」
仁科
「そうなの? 確かに口調が変だけど」
杉坂
「そうなの。それではっ、これよりアニメCLANNAD ~AFTER STORY~ DVD第5巻『第247回仁科りえジャケット出演記念祭』を開催す・る・ぞぉぉーーーーッ!」
仁科
「わっ、びっくりしたっ」
杉坂
「おまえが……おまえが好きだ! おまえが欲しい! りぃえちゃぁぁぁぁぁぁんっ!」
仁科
「誰?」
杉坂
「ふたりのこの手が真っ赤に燃えるぅ! 幸せつかめと轟き叫ぶッ! ばぁくねつ、ゴッドフィンガーーッ! 石破ッ! らぁぶらぶ、天驚けぇぇぇぇぇぇんっ!!」
仁科
「いや、ひとりだから」
杉坂
「少しは乗ってほしいんだけど……まぁいいや。ともかくっ! りえちゃんと私がDVDのジャケットに登場しちゃうという……こりゃまた前代未聞の事態ですよっ!」
仁科
「でも、ね……これでまた原田さんが落ち込むと思うんだ」
杉坂
「……へ?」
仁科
「原田さんだよ。合唱部三人でがんばってきたのに、エンディングでも出てないし……」
杉坂
「は……らだ?」
杉坂
「はらだ……」
杉坂
「思い出した! 封印されし第3の合唱部員『原田』を!」

杉坂は「原田」の存在を思い出した!

原田
「杉坂ぁっ! てめぇっ!」
仁科
「わあっ、原田さん、落ち着いてっ」
杉坂
「しょうがないでしょ。それに、あんただって原作よりは格段に扱いがいいんだから贅沢言いなさんな。原作で立ち絵もあるのに、アニメにまだ出演できてない人だっているんだから」
??
「うぐぅ」
杉坂
「……今のはちょっと違う気がするけど」
原田
「うぅ、それを言われると……。確かにセリフもひとつしかなかったのが3倍に増えたし、ヴァイオリンの件以外では存在すらしなかったようなものだったのが、渚先輩の卒業式にまで出席できたけど……ってなんか虚しくなってきた。はぁ」
仁科
「どうにかならないの?」
杉坂
「原田はねぇ……そうだ! 限定版ピクチャーレーベルとパッケージ背の部分に出演……ってそれ、ウェイトレスりえちゃんのような気がする」
仁科
「えっ、私?」
原田
「……はぁ」
杉坂
「特製お楽しみカードは……『Ernesto Host』のメニューだろうな」
仁科
「メニュー……」
原田
「……はぁ」
杉坂
「……」
仁科
「…………」
原田
「………………」
杉坂
「ダメだ……もう思いつかない……」
原田
「……はぁ」
仁科
「あ! 初回限定特典の総合設定資料集に、原田さんも載ってるんじゃないかなっ」
原田
「……えっ」
杉坂
「えぇっ? 前期5巻の総合設定資料集には、りえちゃんだけで私の項目もなかったじゃん。確かに、りえちゃんの項目に私と原田の出てる場面写真も載ってたけど」
原田
「…………はぁ」
仁科
「ああっ、また沈んでいくっ」
杉坂
「こういう時は逆に考えるんだ。空気キャラを極めて、人々の記憶に残るのだ!」
原田
「極める、って……どうやって?」
杉坂
「ただ出なきゃいいだけ。いつも通りでいい。私たちがふたりだけで出れば出るほど、原田さんがハブられてかわいそう……となるわけだ。よーするに私たちは『泣いた赤鬼』の青鬼さん、というわけ」
原田
「出れば出るほど……って、あんたたちもあんまり出番ないじゃないか」
杉坂
「それを言っちゃあ、おしめえよ」
杉坂
「そんなわけで、原作ではセリフもひとつで名前もなく、オフィシャルコミックで『原田』と名付けられるも空気キャラとして定着し、アニメではキャラを決めかねていた原田ですが……今回めでたくアニメでも空気キャラとして定着いたしました」
原田
「うれしくない」
仁科
「でもね、『※ジャケットの絵柄及び、商品の仕様などは変更になる可能性がございます。予めご了承下さい』って書いてあるから、発売されるまで私たちもどうなるかわからないよ」
杉坂
「例によって最後にりえちゃんの不吉な発言が飛び出したところでっ、記念祭終了!」
原田
「ジャケットの絵柄変更でわたしも追加されないかな……絶対されないな。はぁ」
??
「ボクよりはマシだよ……」