第10回外伝「仁科りえ登場記念祭」

杉坂
「これよりっ、アニメCLANNAD『第247回仁科りえ登場記念祭』を開催するぜイエッヒーーーーッッ!」
仁科
「うわあ……」
杉坂
「これこれ、なんですかっ! そのかわいそうな人を見るような目はっ」
仁科
「テンション高すぎてついていけないんだけど」
杉坂
「何言ってんのっ! りえちゃんが作戦会議で言った不吉なことも外れたしっ、姿が違うのも許容範囲内、つーかこれはこれでイイ! ものすごく綺麗でものすごくかっこいい!」
仁科
「わ、わかったから少し落ち着いてっ」
杉坂
「コミックりえちゃんはちっこくて可愛い。アニメりえちゃんもちっこそうだけど、どこか気品のある可愛さ。うーんらぶり~」
仁科
「ほんとにふたつの顔になっちゃったよ。変身とかやだなぁ」
杉坂
「へ? なんのこと?」
仁科
「え? ほら、前の作戦会議で…………あれ? なんだったかな……」
杉坂
「そういえば、そんなこと言ってたような……」
仁科
「私もあんまり覚えてない……」
杉坂
「むむむ、すっきりしないなー。だが、今日は記念日! テンション上げていくよッ!」
仁科
「うるさくならないよう、程々にね」
??
「ふっふっふ……」
仁科
「?」
杉坂
「むっ? 誰だ! この記念すべき日に乱入してくる輩はっ!」
??
「その記念すべき日に声もかけてくれないとはいい度胸だ……杉坂さん……いやさスギっち!」
杉坂
「ま、まさか……貴様は……!」
原田
「そのとおり! 三井さんとキャラが被らないためにわざわざソフトコンタクトに変えたっ、このわたしだぁ!」
杉坂
「な、なにィ! そこまでするとは……なんという執念」
仁科
「私の知ってる原田さんとキャラが違うんだけど……」
原田
「これでもう『影が薄い』とか『空気』とか『いたの?』とか『単なる人数合わせ』とか『セリフがひとつしかない』とか言わせないよ!」
杉坂
「でもまだセリフ一言もないじゃん」
原田
「スギっち……言ってはならんことを言ったね……」
杉坂
「おっ、私とやろうっての?」
原田
「やってやろうじゃないの……」
仁科
「ふたりとも落ち着いてよー」
原田
「いくぞスギっち! 禁断の合唱パンチを受けてみよッ!」
仁科
「ねぇ~。私の話、聞いてる?」
杉坂
「なんのッ! えびぞり合唱ジャンプで回避して、必殺のフライング合唱ポセイドンッ!」
仁科
「いい加減にしなさい!」
二人
「はい……」
杉坂
「さて、ついにトリオ・ザ・ガッショウが揃ってしまったわけだが」
原田
「なんだか不満そうだね」
仁科
「そんなことないよ。……あれ? このやり取り、前にもしたような……」
杉坂
「まあせっかく三人揃ったんだし、アニメ版の私たちについてフリートークでGo!」
原田
「……と、言ってもわたしとスギっちはどっちがどっちか確定してない」
杉坂
「どーせ目つきが悪いほうが私でしょ。コミックとほとんど同じなんだし」
原田
「わたしは渚先輩シナリオとアフターストーリーに出られればどっちでもいい」
仁科
「あ、あはは……身も蓋もないね……」
杉坂
「まー大丈夫でしょ。画面端にいるくらいは」
原田
「それじゃまた空気じゃないか! 喋らせてよっ!」
杉坂
「贅沢言いなさんな。所詮私たちは脇役なんだから。出番があるだけありがたいと思わなきゃ」
仁科
「そうだね。とにかく三人とも出番があってよかったよ」
杉坂
「まぁそうだけど、私たちの本番は渚さんシナリオなんだからこれからが大事だよ。それにアフターストーリーも。ウェイトレスりえちゃんがなかったら全杉坂が泣く」
仁科
「何も泣かなくても……」
原田
「全原田も泣く」
仁科
「ええーっ!?」
杉坂
「おおっ、これに関しては意気投合だね」
原田
「もちろんだっ」
仁科
「原田さん……なんかキャラ違うよ」
原田
「うっ……。正直言うと、まだキャラを決めかねてるんだヌッツォ」
仁科
「急に何!? その語尾」
杉坂
「誰だおまえ!?」
杉坂
「時間もネタもギリギリなんで、そろそろ締めに入ろうか」
原田
「うむ。承知した」
仁科
「またキャラ変わってるよ」
杉坂
「普通の喋り方したほうがいいんじゃないの?」
原田
「普通……ですか?」
杉坂
「なんか原田っちいじりしてるだけで終わっちゃった感じ。りえちゃん記念祭なのに」
仁科
「合唱部登場記念だからいいと思うよ」
杉坂
「うーん、まあそうなんだけど……。じゃあ、りえちゃんに締めてもらいましょっか!」
原田
「賛成です」
仁科
「ええっ!? 急にそんなこと言われても……」
杉坂
「今こそっ、あの岡崎・春原コンビをも震えあがらせたりえちゃんの天然ツッコミ炸裂の時ッ!」
仁科
「え、え、えと~、んと……」
原田
「力の入れすぎです、もっとリラックスしてっ」
仁科
「人のセリフ言わないでくれます?」
杉坂
「よっしゃ! オチもついたしっ、祭り終了!」
仁科
「え?」
ことみ
「なんでやねん」